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アレルギー性鼻炎について② 〜治療〜

前回はアレルギー性鼻炎の原因、機序、診断方法についてお話ししました。

今回はアレルギー性鼻炎の治療方法についてお話ししたいと思います。

 

アレルギー性鼻炎の治療方法は大きく分けて、

①抗原の除去と回避、②薬物療法、③アレルゲン免疫療法、④手術療法があります。

その中で①抗原の除去と回避、②薬物療法、③アレルゲン免疫療法について詳しくお話ししたいと思います。

 

① 抗原の除去と回避

まず大切なのは鼻に入る抗原の量を減らすことです。これは患者さんにしかできないことです。

季節性アレルギー性鼻炎であればマスクやメガネを着用し花粉を回避しましょう。

また家に入る前に、髪や服についた花粉をはらうようにしましょう。

 

  

 

通年性アレルギー性鼻炎であれば、定期的に部屋の掃除を行い、室内のダニを除去するよう心がけましょう。

掃除の際は1畳あたり30秒以上の時間をかけ、週に2回以上掃除することが推奨されています。

  

 

② 薬物療法

次に薬物療法についてです。

薬物療法では鼻水を抑える抗ヒスタミン薬の飲み薬や、鼻の炎症を抑える点鼻ステロイド薬、

鼻づまりに効果があるロイコトリエン受容体拮抗薬などが用いられます。

第1世代の抗ヒスタミン薬は眠気などの副作用がありますが、近年は眠気の出にくい第2世代の抗ヒスタミン薬がよく使われます。

 

 

 

③ アレルゲン免疫療法

最後にアレルゲン免疫療法です。原因となるアレルゲンを少量から投与し、体をアレルゲンから慣らし、長期にわたって症状を抑える治療です。

「皮下免疫療法」と「舌下免疫療法」の2種類があり、ダニアレルギー性鼻炎とスギアレルギー性鼻炎の治療を受けることができます。

治療は数年以上必要で根気のいる治療ですが、薬物療法で副作用が出るために治療が続けられない患者さんや、薬物療法だけでは症状が抑えられないような患者さんでは、アレルゲン免疫療法が考慮されます。

 

 

舌下免疫療法」は1日1回、治療薬を内服する治療で、自宅での服用が可能です。

決められた一定量の薬を3年以上継続することで効果があると言われており、

長期的な治療となりますが、アレルギー性鼻炎に対して根本的な体質改善が期待できる唯一の治療方法です。

 

 

舌下免疫療法の副作用として口腔内のむくみや痒み、喉の刺激などがありますが、服用開始してしばらくすると軽快していくことがほとんどです。

 

 

開始時期に関しては、スギアレルギー性鼻炎の場合は花粉が飛んでいない時期に開始します。

ダニアレルギー性鼻炎に関しては時期に関わらず開始できます。

スギアレルギー性鼻炎の舌下免疫療法は6月以降の開始が最適ですので、是非ご相談ください。

 

 ⇐詳しくはこちら

 

舌下免疫療法は小児のお子さん(5歳以上)から治療ができす。

当院では事前に舌下免疫療法に関する相談も受け付けておりますので、

小さなお子様から大人の方まで、お気軽にご相談ください。お待ちしております。

 

 

 

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