便秘・下痢・血便

便秘・下痢

腹痛 女性便秘や下痢は健康な方でも経験することの多い日常的な症状ですが、こうした便通異常を繰り返す場合には疾患が隠れている可能性があります。便秘や下痢は多くの大腸疾患に共通した症状であり、大腸がんのような深刻な疾患でも、便秘や下痢といった症状を起こすことは珍しくありません。また、特に原因疾患がなく便秘や下痢を繰り返すこともありますが、その場合も大腸や肛門に大きな負担をかけ、痔をはじめとした多くの疾患の発症リスクが上昇してしまいます。体質と思って放置しているケースが多いのですが、疾患がない場合でも適切な治療を受けて解消することでQOLが大きく向上し、将来の健康維持にも役立ちます。

便秘

数日間排便がない・いきんでも少量しか出ない・残便感がある・長く強くいきまないと排便できない・便が硬く出しにくい・浣腸や下剤服用をしないと排便できないなど、快適な排便ができない状態のことを指します。

便秘のリスク

便秘で習慣的に市販薬を服用している場合、徐々に効き目が悪くなって頑固な便秘になってしまうケースがよくあります。消化器内科で適切な治療を受けてしっかり治すことが重要です。
便秘は腸内に便が長時間とどまる状態であり、腸内に腐敗菌が増えることで腸内環境が悪化します。近年の研究により、腸内環境の悪化が肥満や皮膚トラブル、脂質異常症をはじめ全身の健康にも大きく関与していることがわかっています。
また便秘は硬く太い便を無理に出すことで切れ痔の発症リスクが高く、切れ痔と便秘は互いを悪化させなから進行し、肛門機能にダメージを与える可能性もあります。さらに、便秘で強く・長くいきむ習慣があると肛門周囲で密閉度を高めるクッションの役割を果たしている静脈叢がうっ血し、いぼ痔を発症するリスクも高くなります。

便秘の原因

疾患が原因となって生じている器質的便秘、腸の機能低下などによって生じる機能的便秘に分けられます。
器質的便秘の主な原因となる疾患には、炎症性腸疾患・肛門疾患・大腸がんなどがあります。便秘がある場合、こうした器質的な疾患の有無を調べることが重要です。
原因疾患のない機能的便秘は、腸の働きが低下して起こる弛緩性便秘、便意がなく直腸に便がたまってしまう直腸性便秘、腸が緊張して生じる痙攣性便秘などに分けられ、それぞれ原因に合わせた治療が必要です。

下痢

水分が多い便が何度も出る状態で、急性下痢と慢性下痢に分けられます。
急性下痢は細菌やウイルス感染によって生じるケースが多くなっています。感染による下痢では下痢止めを服用すると毒素が排出されずに重篤になることがありますので、疑わしい場合は消化器内科を受診してください。また、嘔吐をともなうなど十分な水分補給ができない場合には脱水を起こす可能性がありますので、早めに受診してください。
慢性下痢の原因になる疾患はかなり多いのですが、難病指定されている潰瘍性大腸炎やクローン病、大腸がんなど早急に適切な治療が必要な疾患の可能性もあります。下痢が続く場合にはできるだけ早く消化器内科を受診しましょう。

慢性下痢の原因

原因となる代表的な疾患には、難病指定されている潰瘍性大腸炎・クローン病、過敏性腸症候群、大腸がんがあり、慢性膵炎などでも慢性的な下痢症状を起こすことがあります。また、食生活やストレスといった生活習慣の副作用などによって慢性的な下痢を生じていることもあります。

血便

血便とは

血便 イラスト便に血液が付着している、全体に便が赤っぽい、排便後に肛門から血液がポタポタ出てくる、真っ黒くて粘り気のあるタール便、便に粘液や血液が混じっている、排便後拭いた紙に血液が付着しているなど、血便はさまざまな状態を含みます。血便は口から肛門まで、消化管のどこかから出血しているというサインであり、場合によっては緊急手術が必要になることもあります。

速やかな受診が必要になる緊急性の高い血便

血便に腹痛、便秘、貧血(冷汗・めまい・頻脈・息切れ)といった症状をともなう場合、消化管から大量に出血している疑いがあり、速やかに消化器内科を受診する必要があります。血便で出てくる血液量が多い場合も同様です。また血便が長期間続く場合も深刻な消化器疾患が疑われ、貧血を起こす可能性がありますのでできるだけ早く消化器内科を受診してください。
また、血便を切れ痔やいぼ痔と誤解して適切な治療を受けないと短期間に深刻な状態になることもあります。血便があった場合は、できるだけ速やかに受診してください。

血便の色などは出血部位の目安になります

血便があった場合は、色や状態をしっかり確認してください。血便は食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肛門からの出血によって生じますが、色や状態を知ることである程度出血している場所を推測することができます。
血液に含まれる鉄分は時間経過によって酸化して黒っぽくなります。出血している場所が肛門から近ければ鮮やかな赤になり、出血している場所が肛門から遠くなるにつれて黒っぽくなります。食道や胃から出血している場合は、真っ黒く粘り気のある独特のタール便になります。
血便が出た場合は、色や状態、血便が出る頻度、他の症状などについて医師にお伝えください。状態をくわしく伝えていただくことで、有効な検査を優先的に行って原因となる疾患を診断するために役立ちます。

鮮やかな赤い血便

肛門やそのすぐ近くの直腸などからの出血が疑われます。

黒みがかった赤

大腸の奥や小腸、十二指腸までの間での出血が疑われます。
全体が暗い赤になっている場合以外に、血液が塊になって出てくることもあります。

真っ黒で粘り気のあるタール便

胃や食道など上部消化管からの出血が疑われます。

粘液の混じる粘血便

血液と粘液が混じっている状態です。主に炎症性の大腸疾患が疑われます。

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